ネット論客論駁ノート(4)「質問で反駁する」
今回は、質問を上手く使って相手のNOを潰す技術を。
おはようございます。
2021年4月30日午前5時です。
利根川のほとりの緑が本当に気持ち良くて、例年になく人が歩いている気がします。
こんなご時世ではどこも行くところはないですからね。
仕事で、海外のニュースをチェックすることがあり、休んでいてもGWはあまり関係ないんですが、世の中の動きは嵐の前の静けさといったところでしょうか。
今年のGW明け、世の中は絶対荒れると思っています。残念ですけども。
今回は質問で反駁する、です。
私が身を置いている選択的夫婦別姓や離婚後共同親権界隈の皆さんは、博識でありながら優れた弁論術を披露される方が多く、いつも勉強になっています。
今回もそんな方をお一人。
次の発言は、選択的夫婦別姓について、(社会的)コストが削減できるとすべきではなく、導入コスト、維持コストを推進派は試算すべきだ、というネトウヨ。
いますね。こうやって相手がシンクタンクか何かだとみなして、勝手な立証基準を創作しておっかぶせ、悦に入る〇〇。

それをするなら試算して主張するべき。
というか、主張しないにしても導入コスト、維持コストは推進派が算出すべきでしょうて。
そんな議論の場に降り立ったのが、今回ご紹介する「ひよこまる」さん。
次のように仕掛けていきます。

政府しか知り得ない費用を一個人の私が知る由もありません。が、システム的な思考があれば、社会的にどこまでシステム改修が要るかぐらいは見当がつきます。
この一言で、相手な不当な立証基準をやんわり否定して、一般論として提示が可能なことを示す。

選択的夫婦別姓の場合、公は戸籍の個に氏追加。
民の契約は、個人のみなら変更無し、夫婦契約で同姓の縛りがあれば変更。
個は、改姓手続きが減る分安上り。
一般的な考え方を示せば、選択的夫婦別姓を導入した方が、社会的コストははるかに安上がりであることを簡潔明快に説明。
ここがすごいですよね。140字以内にこれだけの情報が入っているのに、1ツイートで論駁完了。

「国や事業者などの責務を規定 等」←民にも負担、しかも「等」が付き、どこまで修正が必要か未知数
しかも『通称』と「戸籍姓」の2重管理は要る。
高市案はニーズ違い。費用が掛かるなら、ニーズに合う方が良いのは当然。
相手方の主張はあるあるの「通称使用でいいじゃないか」論。高市案が根拠でした。
これもニーズ違いとコスト面からあっさり説明。
ここまで1円も"見積り”は出していないのですが、「ひよこまる」さんはあくまで「考え方」に絞っています。ここが大事。
真面目な方だと、「こんな試算があります、あんな試算があります。」と返しそうなのですが、それは相手の術中。
なぜなら、相手はそもそもそんな数字を真剣に省みる気はさらさらありません。その試算に対する穴をほじくり返そうとするに決まっています。
そうではなく、「考え方からすれば誰でも同じ結論になりますよね」という方向で議論を進めていきます。

選択的夫婦別姓<<<高市案<<<<<<<旧姓使用(併記)の個別拡大
反対派は旧姓拡大でと言い切るが、反対派の何割が使うの?
選択的夫婦別姓を必要としてる人が、ニーズに合うものを使えるほうがコスパ良し。
というわけでこれが結論。
ネトウヨはもはやぐうの音も出ません。自分の主張を言い張るのみ。
ここで、別の観点から反撃を試みるネトウヨ登場。

むしろ大小が逆じゃないの?
願望を書いているようにしか見えないけど。
それ(願望)じゃないのとケチをつけてきました。
論理的に返すならば、それを否定する根拠を示すところですが、「ひよこまる」さんはここで示さない。ある意味、あっさり兜を脱ぐ。
じゃ、どーぞ。
とばかりに、次のようなツイート。

これは上手く質問を使って論駁ですね。
兜を脱いで見せて、高市案が安上がりならそれでもいいんじゃない?
そこまで言うなら、という切り返し。
あわててネトウヨがフォローに来ます。

安くなるって、試算出すのは「ひよこまる」さんじゃないかな?
あくまでも、安くなるとは思えないって、データベース設計の話でしょ?
でも、ひよこまるさんはぶれません。これも大事。


>到底考えられないけど
>むしろ大小が逆
これは、選択的夫婦別よりも『高市案のほうが安い』と言い切ってますよね。
説明できますよね?
「じゃ、どーぞ。」といわんばかりの切り返し方を見舞った時点で頭に描いているものがあったと思います。
冒頭の「行太」と名乗る人物のツイートと比較してみてください。
完全に立証責任が切り替わっています。
本人が弁明に来ました。

これを言い切る、とみるのはあなたの日本語に問題があるように思えますね。
説明になるか走りませんが、過去返信で自身の意見は述べました。
あなたも会話にいたと思いましたけど。
ところが、ここで見事に切り返す。

断言してないにしろ、ででんサン自身の書いた事なら、説明できますね?
どうぞ、説明を。

前にも書いたのでしょ?
じゃあ書けますよね。
「既に説明したのだから、また説明できますよね」
という誰もが認める当然の論理が突き刺さる。
ひよこまるさんに「主観」だと言い放った人物にブーメランが刺さろうとしています。
ここで相手が醜態をさらします。

過去ツイ、書いた時だってそれなりに考えて書いたのをまた改めて考えるのも、探すのも。
そもそも今の関心は、リスクマネジメント。
制度変更を議論するのに悪影響について評価されてないのでは、賛成のしようがない。
まるで問題を起こすためにやるような #選択的夫婦別姓反対
ここで「ひよこまる」さんはとどめを刺します。

>やだよめんどくさい
という、いい加減さは無責任ですね。
ででんサンの説明で、選択的夫婦別より高市案を支持する人が出るかもしれないのに『めんどくさい』とは(呆)
ででんサンのような無責任なタイプに賛成は求めませんよ。
#選択的夫婦別姓反対 に反対

同姓なら家族とか、確認もしないような安易な人にリスクマネジメントと言われても、説得力ないわー
#選択的夫婦別姓反対 に反対

無くても、処理内容が想像できれば、説明くらいは可能な筈。
>強く思う
ではなく、『思い込みが強い』『思い違い』だと解釈しますね。
#選択的夫婦別姓反対 に反対
たぶん、「ひよこまる」さんは、相手がNOと言えないポイントで切り返すというイメージを持って、普段から議論にのぞまれているのではないかな?と思っています。
こういう手法は、ビジネス交渉にも多く見られます。
セールストークサイクルとか切り返しトークいう言葉を聞いたことはあるでしょうか?(めっちゃ和製英語だと思っていますが。w)
保険や不動産の営業でよく使われているかと思いますが、顧客からNOと言われることが多い営業現場で、質問で切り返し、相手がNOと言えない(NOという理由をつぶしてみせる)というトーク手法です。
潰す、っていう言い方してしまいましたが、
良い解説あった。
ひよこまるさん、よく議論の場でお見掛けするのですが、仕事のできる人なんだろうなあ。。。と思っています。
今後も勉強させていただきますっ。
【注】今回のツイート掲載に当たり、ひよこまるさんには事前にご承諾をいただいて掲載しております。どうもありがとうございます。
ネトウヨアカウントにはいちいち承諾は取っていません。
なぜならそれが言論の自由だからです。
(この連載続く)
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